本日は東洋医学の観点から病気になるお話しをさせて頂きます。
人は簡単には病気にかからないような力をもっている。また、病気になったときには治ろうとする力をもっている。抵抗力や自然治癒力といわれるものです。東洋医学ではこれを正気という。病原性の細菌やウイルス、あるいは急激な気候の変化は人体に悪い影響をおよぼす。悪い影響を与える邪悪な気、ということで、からだを悪くする原因になるものを邪気という。
正気がしっかりしていれば、抵抗力や治癒力が強いため、邪気に攻撃されて体内のバランスがくずれても、もとに戻すことが出来ます。この自己調節機能を正気の力といいます。たとえば、高齢者の多い施設で病原性大腸菌O-157が流行したときに、感染して亡くなった人もいるし、まったく平気だった人もいる。これはひとりひとりがもっている正気の力の違いが発病するかしないかを決め、発病しても治るか治らないかを決めているからです。。問題は邪気のO-157ではなく、正気の力のほうなのである。正気が邪気に負けると病気になる。東洋医学の考え方の基本はここにある。人間は基本的には治る力をもっている。東洋医学の役割は正気を引き出し、はたらきを助けることで、病気からの回復を補助することにある。
扶正(ふせい)ときょ邪