本日は東洋医学の4つのバランスについてお話しさせて頂きます。
正気を決める4つの要素
抵抗力、治癒力などである正気とは、いったい何だろうか。東洋医学では、正気を決めるのは、気・血・津液・精の4つの総合的なはたらきと考える。4つがバランスよく、正常に循環していれば正気が充実し、病気にかかりにくい。
気・血・津・精は人体を構成する基本要素である。4つの要素が体内をめぐることで生命活動が維持されている。
1.気 生命活動のエネルギー源となるもので、臓器や組織に影響をおよぼす。生まれたときには、両親から受け継いだ先天の精(精気)しかもっていない。
それと自分自身でつくりだした後天の精がいっしょになり、からだ全体のエネルギー源である元気(原気)となる。
2.血 水穀の精微が変化したもので、血管内の赤い液体をさす。
赤血球や白血球などの区別はない。栄養物や酸素と結合した血は全身をめぐり、組織に栄養を供給する。
3.津液 水穀の精微が変化したもので、体内に含まれる血以外のすべての水分、透明な水をさす。血は血管の中だけに存在するが、津液は組織の中にも浸透するし、涙や汗となって体外にも出る。気は、血と津液を合成し、体内をめぐらせ、生命活動を維持する。気が体内で機能するためには血が必要である。
4. 精 人体の活力源。生まれつきもつ先天の精と後でつくられる後天の精がある。
気・血・津液・精の変調が起きると病気になる
気は実体がなく軽いものなので、変調をおこすと上昇しやすい。気が上がると病気の症状がでるが、反対に上昇しない場合も異常がでる。気の量は、多すぎても少なすぎてもいけない。
血と津液を正しくめぐらすことができなくなり、血や津液が足りなくなったり、停滞する。血と津液が変調すると停滞して、症状がでる。また、血は必要に応じて気を生み出すので、組織によっては気が足りなくなることもある。津液が不足すると、からだが乾いてくる。
3つのうち、どれか1つのバランスが乱れても病気につながる。気だけ、血だけと1つの要素が異常になるのではなく、複合的な乱れが同時におこる。
慢性病では気・血・津液・精のバランスがくずれていることが多い。病気が悪化した場合には、気のめぐりが悪ければ内臓の働きを整える、血の流れが滞っているなら全身の水分代謝をよくするなど、気・血・津液・精のバランスが正常になるようにしていきます。